乳児健診は、赤ちゃんの心と体の発育や発達をチェックする大切な診察です。それと同時に、お母さんが赤ちゃんに関する気がかりなことを先生に相談できる機会でもあります。もし心配なこと、聞いてみたいことがあれば、あらかじめ質問事項をメモし、先生に見せるようにしてください。メモがあれば聞き忘れることもなく、お母さんにとってもきっと満足のいく乳児健診になるでしょう。

 

■乳児健診の共通チェック項目
○ 健診の内容は月例によって違いますが、どの月齢でも行われる項目があります。身体測定は必ず行われる項目です。身長、体重、頭囲、胸囲を測り、順調に発育しているかを確認します。また、小児科医はひとつの発達だけをワンポイントで診ているのではなく、ほかの発達はどうかというように総合して診察します。周りの子どもと比較するのではなく、前回の健診からこれまでにその子にどれくらいの成長があったかを診ているので、発達に関して、できる、できないにこだわる必要はありません。
○ 問診も毎回あります。普段の赤ちゃんの様子を尋ねられますから、気になることがあれば遠慮なく先生に相談しましょう。また、予防接種や事故の予防法など、月齢にあったアドバイスももらえます。

 

各月齢における健診内容

■1ヶ月健診
○ 1ヶ月健診では、まず体の発育を診ます。順調に体重が増えているかどうかが大きなポイントになります。また、心臓の音を聞き先天的な心疾患がないかどうか、股関節の開きぐあいはどうかなどを確認します。先天性心疾患は生後3ヶ月頃までにみつかる場合がほとんどですが、心雑音があっても必ずしも心疾患があるとは限りません。
○ 問診では、授乳の状態や回数、睡眠のリズム、うんちの色と回数などが聞かれます。初めての育児に戸惑う時期ですから、わからないことは先生にどんどん質問しましょう。

■3〜4ヶ月健診
○ この月齢は、発達の重要な節目の時期です。健診の内容は、頚すわりの様子や、うつぶせにしたときの状態、股関節の開きぐあい、追視やあやし笑いなどの発達の確認が中心になります。また、もうすぐ始まる離乳食、そして予防接種についての指導も行います。
○ 問診では、家庭での赤ちゃんの様子や、動作、周囲に関心を示すかどうかなどが聞かれます。

■6〜7ヶ月健診:多くの市町村では集団で行われます。
○ 6〜7ヶ月健診では、寝返りやおすわりなどの体の発達、心の発達などがポイントになります。 発達については個人差があり、特に寝返りは機嫌しだいでできないこともありますので、そのときは家庭での様子をお話していただければ結構です。

■9〜10ヶ月健診
○ ハイハイとつかまり立ちなどの体の発達と、この頃にグンと発達する精神面の成長を主に診察します。ただ、運動発達に関しては特に大きく個人差が出るときですので、ハイハイやつかまり立ちがまだの赤ちゃんでも心配はいりません。その子なりの発達を見守ってあげればいいでしょう。
○ この頃になると、小さなものを親指と人さし指でつまみあげます。これは指先の末端まで神経の発達が行き渡ったしるしです。と同時に、精神面での発達も順調であることがわかります。
○ 心の発達は「パチパチ」や「バイバイ」といった簡単な物まねができるかどうかでもわかりますが、まねっこができなくても、後追いや人見知りをするかどうかということで同じように心の発達を判断します。

■1歳健診
○ 1歳健診は、つかまり立ちや伝い歩き、ひとり立ちなどの運動機能の発達と言葉の出方や理解度の確認がポイントになります。

■1歳6ヶ月健診
○ 1歳6ヶ月健診は法律で定められており、ほとんどの市町村が集団で健診を実施しています。この頃になるとほとんどの子どもさんが歩くようになり、体の発達面についてはホッと一安心できる時期を迎えます。また、言葉の発達については、指さしや意味のある単語が出ているかどうかといったことで判断をしますが、発語の時期は子どもさんによって大きな差があります。発語がまだの子どもさんでも、大人の問いかけにしぐさで答えるような場合があれば、だいじょうぶ。聞こえていることを確認したら、いずれはじょうずにおしゃべりできるようになるので安心してください。
○ このほかに、そばに赤ちゃんがいるとその赤ちゃんに興味を持ったり、名前を呼ぶとふり向くかといった点で、社会性や対人関係の発達もみえてきます。

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